青色申告特別控除が最大75万円に!2027年から大家さんの確定申告はどう変わる?

目次

  • ①青色申告特別控除は2027年からどう変わる?
  • 青色申告特別控除の新旧比較
  • ②75万円控除には「優良な電子帳簿保存等」が必要
  • ③2026年中に確認しておきたいこと
青色申告特別控除が最大75万円に! 2027年から大家さんの確定申告はどう変わる?
大家さんにとって、毎年の確定申告で大きなメリットとなる「青色申告特別控除」。
令和9年分(2027年分)の所得税から制度が改正され、最大75万円の控除を受けられるようになります。
今回は、2027年から青色申告特別控除がどう変わるのか、大家さん向けに解説します。

①青色申告特別控除は2027年からどう変わる?

青色申告特別控除とは、一定の要件を満たして青色申告を行っている場合に、所得金額から一定額を控除できる制度です。

不動産賃貸業の場合、
【家賃収入 − 必要経費 − 青色申告特別控除 = 不動産所得】
となるため、控除額が大きいほど所得税・住民税の負担を抑えることができます。

令和9年分(2027年分)からは、一定の要件を満たした場合の最大控除額が、65万円 → 75万円に引き上げられます。

ただし、現在65万円控除を受けている人が自動的に75万円になるわけではありません。e-Taxや電子帳簿保存への対応状況によって、控除額が変わります。

青色申告特別控除の新旧比較

申告・帳簿の方法 2026年分まで 2027年分から
e-Tax+複式簿記 65万円 65万円
e-Tax+複式簿記+
優良な電子帳簿保存等
65万円 75万円
紙申告+複式簿記 55万円 原則10万円※
紙申告+複式簿記+
優良な電子帳簿保存
65万円 原則10万円※
簡易簿記 10万円 10万円※

※令和9年分から10万円控除についても適用要件が見直されます。

✅紙で申告している大家さんは要注意

今回の改正で特に注意したいのが、紙で確定申告書を提出している方です。

例えば現在、紙申告+複式簿記 → 55万円控除を受けている大家さんが、2027年以降もそのまま紙申告を続けた場合、原則として控除額は10万円となります。つまり、55万円 → 10万円と、控除額が45万円減少する可能性があります。

一方、e-Taxへ切り替えて複式簿記などの要件を満たせば65万円、さらに優良な電子帳簿保存等に対応すれば75万円控除を受けられます。

現在紙で申告している大家さんは、2027年までにe-Taxへの移行を検討しておきましょう。

✅家賃収入1,000万円超の大家さんも要注意

令和9年分からは、10万円の青色申告特別控除についても適用要件が見直されます。
一定の場合には、家賃収入が1,000万円を超える大家さんが簡易な簿記を続けていると、10万円控除が適用できずに控除額が0円になります。

家賃収入が1,000万円を超える大家さんで、現在、簡易な簿記の方法で記帳している方は、複式簿記への変更を検討しておきましょう。

②75万円控除には「優良な電子帳簿保存等」が必要

75万円控除を受けるには、複式簿記や期限内申告などの基本的な要件に加え、e-Taxによる申告さらに、優良な電子帳簿の保存等への対応が必要になります。

「優良な電子帳簿保存」と聞くと難しそうですが、すでに会計ソフトを利用している大家さんであれば、それほど身構える必要はありません。

弥生会計、マネーフォワードなど、主要な会計ソフトには電子帳簿保存に対応するための機能が用意されています。

ただし、「主要な会計ソフトを使っている=自動的に75万円控除になる」わけではありません。利用しているソフト・プランの対応状況や設定、保存方法などを確認する必要があります。また、優良な電子帳簿保存については税務署への届出についても確認が必要です。

✅大家さんは「事業的規模」にも注意

不動産所得について65万円・75万円の青色申告特別控除を受けるためには、不動産貸付けが事業として行われている必要があります。

一般的な目安が、いわゆる「5棟10室基準」です。

アパート・マンションなど……おおむね10室以上
戸建てなど……おおむね5棟以上

一方、区分マンション1室のみといったケースでは、e-Taxなどを利用しても、65万円・75万円控除の対象にならないのが原則です。

今回の改正点ではありませんが、ご自身が「事業的規模かどうか」は、 今一度、確認しておきましょう。

③2026年中に確認しておきたいこと

新制度が始まるのは令和9年分(2027年分)からです。

最大75万円の青色申告特別控除の適用を受けるための届出期限は「令和9年分(2027年分)の確定申告期限=令和10年(2028年)3月15日まで」ですが、 令和9年(2027年)1月1日から、優良な電子帳簿の要件を満たす会計ソフトで記帳を開始する必要があります。

したがって、2026年中に以下の点を確認しておきましょう。

・現在、紙申告かe-Taxか
・複式簿記で記帳しているか
・事業的規模に該当するか
・会計ソフトが優良な電子帳簿保存に対応しているか

特に、現在紙申告している方は、早めにe-Taxへの切替えを検討することをおすすめします。

大家さんの税務についてご相談をお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。初回相談は無料です。