法人化は何棟目から得になる?大家さんのための法人化判断基準

目次

  • 法人化のメリットとデメリット
  • 法人化のメリット
  • 法人化のデメリット
  • 法人化を検討すべきタイミング(棟数・規模の目安)
  • 法人化において注意すべきポイント
法人化は何棟目から得になる?_大家さんのための法人化判断基準

「そろそろ法人化したほうが得?」の疑問
賃貸経営をしていると、一定規模になると必ず出てくるのが
「法人化したほうが節税になるのでは?」という疑問。

・所得税が高くなってきた
・将来の相続を見据えた対策を考えている
・融資枠をもっと増やしたい

こうした理由から、法人化を検討する大家さんは年々増えています。

しかし、法人化には明確なメリットもあればデメリットもあり、規模や状況によって判断が変わるのが
実情です。

今回は、大家さんが法人化を検討する際のメリット・デメリット、検討すべきタイミング、注意点を
実例を交えて解説します。

法人化のメリットとデメリット

✅税率が一定で低め(中小法人は年間所得800万円までは約23%、800万円超は約33%)
  → 個人は所得が上がるにつれて税率が最大55%まで上がるが、法人は一定。

✅家族への所得分散がしやすい
 → 家族を役員や社員にして給与を支給できる(節税効果+相続対策)。

✅経費計上の幅が広がる
 → 役員社宅、退職金、生命保険など法人特有の経費が使える。

✅金融機関からの目線
 → 資産額が一定規模を超えると法人が無難

✅設立・維持コストがかかる
 → 設立費用20〜30万円、毎年の税理士費用も個人よりは一般的に高い。

✅社会保険加入義務
 → 社長1人でも原則加入(負担増になるケースあり)。

✅赤字でも法人住民税均等割がかかる
 → 年7万円以上

✅お金を個人に移すときに税金がかかる
 → 法人に蓄積された税引後利益を給与・配当等で個人に移す際に再課税される。

法人化を検討すべきタイミング(棟数・規模の目安)

「何棟から法人化が得か?」は年齢や今後の方向性によって人それぞれですが、基準になるのは「課税所得が1,000万円を超えたあたり」です。

課税所得とは「家賃収入ー必要経費ー各種所得控除額」です。
確定申告書右上の課税される所得金額(赤く囲ったところ)で確認できます。
確定申告書_課税所得_家賃収入ー必要経費ー各種所得控除額

給与収入が1,000万円程度ある方であれば、
アパート2棟以上、または戸数で10〜15室以上(もちろん1部屋あたりの家賃、減価償却費等によって大きく変わりますが)を目途に課税所得は1,000万円を超えてくるかと思います。

法人税と所得税の税率差に着目すると、「課税所得1,000万円」が法人化を検討べき一つの基準になってくると思います。

法人化において注意すべきポイント

✅法人名義の資産管理は明確に
 → 個人と混同しないよう口座・契約を分ける。個人のプライベートな支出を法人口座から出金すると、「役員貸付金」となり、銀行評価に悪影響です。

✅役員報酬の金額設定
 → 設定は慎重に。役員報酬は一度定めると、約1年間は実質的に変更できません。

✅法人株主を誰にするか?
 → 法人化すると相続対象になるのは、現物不動産ではなくて、法人株式となります。家族に分けて株式を所有させるか、誰か一人に集中させるか、等の方針を決めましょう。