資産管理会社に管理料を支払う際の注意点は? 

目次

  • 資産管理法人が「管理料」を得る仕組みとは?
  • なぜ節税になるの?
  • 管理料率の目安
  • 税務調査でのチェックポイント
  • まとめ
  • 補足
資産管理会社_管理料の支払い 
資産管理会社を設立した大家さんからよく聞かれる質問に、
【資産管理会社への管理料の支払いはどのようにすれば良いか?】があります。

個人から法人への所得分散や法人活用による節税の一手段として使われることが多いのですが、一歩間違えると税務上の否認リスクにつながることもあります。

この記事では、資産管理会社を活用する際に設定する管理料の考え方について、税理士の視点からポイントを解説します。

資産管理法人が「管理料」を得る仕組みとは?

大家さんが個人で不動産を所有しながら、別途設立した法人(資産管理会社)に不動産管理業務を外注します。大家さんから法人に管理料を支払うことで、法人に所得を移転させるスキームです。

なぜ節税になるの?

個人に適用される所得税等率(約15%~55%の超過累進税率※)と 法人税等率(年間所得800万円までは約23%)の差額を利用できるからです。

※超過累進税率とは所得が高いほど税率が高くなる仕組み
以下に速算式により税金を計算
速算式_税金の計算
たとえば、
所得税・住民税合計の税率が約55%になっている大家さん個人が、
法人に不動産管理料を100万円支払った場合を考えてみます。

・個人の税金
不動産管理料100万円は、個人の税金計算上は経費になるので、
個人の税金が100万円×約55%の55万円少なくなります。

・法人の税金
不動産管理料100万円は法人にとっては売上になるので、
法人の税金は100万円×約23%=23万円となります。

不動産管理料のやり取りが個人法人間で発生したことで、
不動産管理料のやり取りが存在しない場合と比べて、
個人法人合計の税金が約22万円(55万-23万円)減少する結果になりました。

管理料率の目安

民間の不動産管理会社に、同様の管理業務を外注した場合の世間相場に合わせる必要があります。
そのうえで、以下の金額(率)は目安になります。

・一般管理    賃料の3%~8%
・サブリース   賃料の10%~15%

税務調査でのチェックポイント

・不動産管理業務実態があるか
・資産管理会社の役員or社員のうち、誰がどのような業務を行っているか
・世間相場と比べて妥当な金額か
・民間の不動産管理会社にも管理業務を外注する場合には、業務のすみわけが出来ているか
・書面契約があるか

まとめ

個人的には資産管理会社の活用のうち、不動産管理料を用いたこの手法はおすすめしません。
理由としては、個人から法人への所得分散効果が大きくないのに対して、管管理料がどこまで認められるかという部分が不明瞭なので、リスクとリターンが合わないと感じているためです。

不動産管理会社を活用する際には、個人から管理料を受け取る形態ではなくて、不動産管理会社自身で不動産を保有する形態がおすすめです。
現在個人名義で不動産を所有していて、今後、法人名義で物件購入を進めていきたい方が、法人名義での物件購入前にとりあえず資産管理会社を設立することがあります。

法人での物件購入前に、このスキームで管理料を売上にして、1期でも2期でも決算実績を作り、今後の法人での物件購入時の銀行融資に役立てようとする狙いがあるかと思いますが、売上も管理料だけだと少額ですし、結局、この段階であれば法人単体ではなくて、個人と法人を合算して銀行審査が行われるケースが大半です。
決算実績は無駄にはならないと思いますが、大きな効果はないと思います。
資産管理会社を設立すると、運営経費も発生しますので、具体的に法人名義での物件購入目途がたった段階で法人設立することをおすすめします。