小規模企業共済で大家も退職金をつくれる?

目次

  • 小規模企業共済とは何か?
  • 大家さんでも加入できるの?
  • どれくらい節税になるのか?
  • 注意点・デメリット
小規模企業共済_大家さん_退職金
はじめに|「大家には退職金がない」は本当?

会社員は定年退職すれば退職金がもらえるけど、大家さんや個人事業主にはそれがない。
――そんな風に感じていませんか?

でも実は、不動産賃貸業を営むオーナーも**「小規模企業共済」**という制度を使えば、自分のための退職金をつくることが可能なんです。

しかもこの制度、節税にもなる非常に優れた制度で、私自身も利用中です。

この記事では、

小規模企業共済とは何か?
大家さんでも加入できるの?
どれくらい節税になるのか?
注意点・デメリット


などをわかりやすく解説します。

小規模企業共済とは何か?

中小企業庁(国の制度)が運営する、**経営者や個人事業主のための「退職金制度」**です。

・毎月1,000円~7万円まで積立可能
・積立金は**全額「小規模企業共済等掛金控除」**として所得控除
・廃業や事業引退時に退職金のように受け取れる

つまり、税金を減らしながら老後資金を準備できる、という一石二鳥の制度です。さらに、積立期間中に積立額の70%~90%(積立継続期間により異なる)の借入を行うことも可能です。しかも、2025年9月時点で借入利率1.5%という低金利です。

大家さんでも加入できるの?

✅個人大家さん(専業)
⇒ 事業的規模(5棟10室基準)であれば加入可能

「5棟10室基準」とは、貸家であれば5棟、アパートであれば10室以上の規模で賃貸経営をすることです。

✅資産管理会社の役員(専業)
⇒ 加入可能

サラリーマン大家で資産管理会社を設立して役員になっているケースは、原則、加入不可

加入時点で従業員数が20人以下という条件はありますが、資産管理会社で従業員数が20人超になることは通常ないでしょう。

✅サラリーマン大家さん(本業:会社員、副業:不動産賃貸業)
⇒加入不可

どれくらい節税になるのか?

① 掛金払込時:全額所得控除(毎年の節税)

たとえば、
・月5万円 × 12ヶ月 = 年間60万円の掛金
・所得税率33%、住民税10%(課税所得900万~1,800万円)なら

✅60万円 × 43% = 年間約25.8万円の節税効果
20年間続ければ、合計約516万円の所得税・住民税を節税できます。

② 受取時の課税:退職所得として一括受取

退職所得として一括で受け取ると、以下の計算式が適用されます。

受取額:1,200万円
退職所得控除:40万円 × 20年 = 800万円
課税対象:(1,200万円 − 800万円)×1/2 = 200万円
所得税+住民税(約15%)→ 約30万円

✅節税まとめ
総積立額 1,200万円
積立時の節税効果 約516万円
受取時の税金 約30万円
節税効果合計  約 486万円 (約516万円-約30万円)

一般的な節税は、単に税金を先送りにするだけのものが多いですが、
小規模企業共済は、積立時の税率約43%と受取時の税率15%(退職所得控除、1/2課税適用もあり)を利用した非常に効果が大きいものになります。

注意点・デメリット

・節税効果については、積立時に高所得でないと効果小

原則、積立時の税率と受取時の税率の差額が節税になるというものなので、積立時に所得税の課税所得がそれほど高くない場合には、大きな節税効果が取れないので、注意が必要です。

・引退・廃業など正当な理由がないと解約できないため、資金拘束される

⇒積立額の70%~90%を借入することが出来るので、このデメリットについてはだいぶ緩和されます。

上記のデメリット・注意点はありますが、多くの大家さんにとって、
節税しつつ退職金の準備も出来る優れた制度になると思います。